1日目、昼
ビーチ
視点、修馬
修馬「おーい、吹雪!お前そんなはしゃいでるといつもみたいに……」
吹雪「大丈夫!…ってうわ!」
波に足を取られて飛沫を上げる吹雪。
修馬「……アホ、言ってるそばから」
俺達は早速ビーチに遊びに来た!
みんなそれぞれ海で遊んだり、日焼けしたり、みんなでビーチバレーを楽しんだりと、満喫している。
正直、俺も楽しんでいる。
まさかこのミステリー研究サークルでこんな旅行が出来るとは思わなかった。
おっと、そうだ。そういや自己紹介がまだだったな!
俺の名前は橘修馬(たちばな しゅうま)
このミステリーサークルの遅刻常習犯だ。
ま、正直ミステリーはよくわからないし、正直興味もない。
しかし幼なじみの吹雪に誘われ入部した経緯だが、実は今は入ってよかったと思っている。
まあそれもメンバーに恵まれたからだ!
神原文明(かんばら ふみあき)
短髪に知的な眼鏡が似合うこのサークルの部長だ。
真面目で気配りが出来た奴で、少し固すぎるのではないかと思われるくらいお手本の部長だ。
桐島拓将(きりしま たくまさ)
茶髪が特徴的な彼は、少しチャラくてよく女の話ばっかりしてる。
しかし裏表のない気持ちのいい奴だと思う。
星野遥輝(ほしの はるき)
サラサラの髪で控え目にもイケメンな顔立ちな遥輝はプロのマジシャンを目指してて、既にプロにひけをとらないマジックをいくつもしてくれる。白馬の王子さながらなナルシストなとこが玉に傷かな?
真木心十郎(まき しんじゅうろう)
目が見えないほどの前髪の心十郎は無口で何考えてるかわからない。協調性はないが悪い奴じゃないと思う。
白浜舞鈴(しらはま まりん)
気が強い目つきに似合わない小柄なツインテールの舞鈴。少し口うるさいところがあるが、このメンバーの中では姐御役としてみんなの面倒を見てくれている。
今回の旅行も舞鈴が企画してくれた。
音無樹菜(おとなし じゅな)
舞鈴と同じくらいの小柄な体格。人見知りで大人しく、ほとんど話さない。
体が弱くよく風邪で学校を休んでいるので、気を配ってあげなくてはならない。
そして夜桜吹雪(よざくら ふぶき)
そう、吹雪。こいつとは幼稚園からずっと一緒な腐れ縁の幼なじみだ。
綺麗な顔立ちに、スラッとしたスタイルに水着がよく似合っている。小さい頃は俺の後をついてくるだけの弱虫だったのに、今は精神的にもしっかりしてきたと思う。
ただ、たまに天然なとこは結局治らなかったようだ。
いろいろ癖のある部員揃いだがみんないい奴だってのは知っている。
拓将「見ろよ修馬、吹雪ってスタイルよくね?」
修馬「はは、そうだな」
遥輝「美しいね。僕と同じくらい美しいよね、修馬の彼女は」
髪を潮風になびかせながら言う。
今日もナルシストは絶好調だ。
修馬「いやいや、あいつとはただの幼なじみなだけさ」
拓将「おい、修馬ちゃんと準備してきたんだよな?」
修馬「何が?」
拓将「ばーか!旅行っていわば特別なイベントだ。女と何があるかわかんねえんだぞ?」
耳元で下品な笑い声を聞かされる。
修馬「あー、はは。なるほどね。
そういう拓将は準備万端ってことか?」
拓将「勿論だ!
ちゃんと薔薇の花を一輪持って来たぜ!
誰といい感じになっても、これで告白すればイチコロだってネットにも書いてたからな」
修馬「お前……意外とピュアだよな」
自信満々な顔に吹き出してしまう。
文明「こら君達、下賎な会話をしているんじゃないだろうな?」
拓将「あーあーもう部長堅すぎだろー!」
修馬「お、部長見ろよ!樹菜の羽織ってるパーカー、海水に濡れてスケスケだぞ?」
文明「何?本当か?どこだ!」
修馬「はは、嘘だよ!相変わらずロリコンだな部長!」
文明「な、なんだと!俺はただ、幼く見える女性が気になるだけだ!」
遥輝「ふふ、それをロリコンと言うのだよ。部長」
修馬「合法ロリコンだとさ」
文明「見損なってくれるな君達!」
修馬「じゃあさ部長、舞鈴は?
あいつも樹菜と同じような小柄な体格だからストライクじゃないのか?」
文明「ふむ、そうだな。いつもは口うるさいことがギャップとなり、とても魅力的に見えているよ」
拓将「うはは!ロリコン確定ー!」
修馬「なあ!心十郎もこっち来て話入れよ」
心十郎「僕は……いい」
舞鈴「ねえ、さっきから男どもの視線がうざいんだけど?」
吹雪「まあまあ舞鈴」
舞鈴「どーせエロい話でもしてるのよあいつらは」
吹雪「えーやだなぁ」
舞鈴「……まあ吹雪はむしろ修馬に自分のそうゆう話してほしいくらいじゃないの?」
吹雪「え?もう舞鈴!」
樹菜「くすくす」
浜にいる吹雪がこっちをちらっと見て、すぐ目をそらした。
吹雪は俺のことが好きなのは小さい頃から知っている。
俺もまあこの歳になって、最近吹雪を意識して見ることもあり、お互いもどかしい関係が続いている。
もしかしたら、本当にこの旅行で関係が進むことがあるかもしれないな。
修馬視点 完